✳︎本コラムは、2021年6月に獣医フリーランスネットワークのホームページ内で掲載されたブログの転載になります。
近年さまざまな職種で注目されつつあるフリーランスの働き方ですが、輝かしい部分だけではなく思わぬところで苦労を伴うこともあります。
今回はそんなフリーランスのメリットとデメリットをざっくりと解説していきます!
新しい働き方にご興味のある方はぜひご一読ください.
さっそくですがフリーランスの働き方の良いところからあげていきたいと思います! 主なメリットをまとめるとこんな感じです!
以前のコラム「フリーランス獣医師のお仕事3選」であげたように個人病院・大きな病院・専門病院など動物病院によって働き方や学びも異なります。
複数の動物病院で働くことで治療方法や病院内の業務のやり方などを横断的に学ぶことができるのはフリーランスの働き方の大きなメリットと言えるでしょう!
フリーランス として活動していると診療以外に、記事の執筆、情報サイトの監修、セミナーや動画出演などの企業案件をいただく事があります。勤務医の場合、外部のお仕事を受ける際は勤め先の許可が必要ですが、フリーランスの場合は個人の裁量で受託できるので仕事の幅も比較的広がりやすいと言えるでしょう! ただし、獣医師である以上、一定の節度をもって科学的な発信を心がけないと他のお仕事に影響が出ることもあるので注意をしましょう!
これぞフリーランスの醍醐味とも言えるメリットが休みです! もちろん契約している動物病院に迷惑がかからないようなスケジュール管理が必要ですが、休むと決めた日に仕事を入れなければ済む話なのでかなり自由がききます。
例えば週5日、1日ずつ5病院に行くような働き方の場合それぞれの病院から1日ずつ休みをもらえれば9連休になります。勤務医さんが9連休をもらうとなるとかなりハードルが高いと思いますが、フリーランスは比較的容易に連休が取れるのです。
逆に、フリーランスの働き方は労働基準法が適応されないので働こうと思えば365日働くことも理論上は可能です。 働きすぎて体調を崩して他の病院に迷惑が!なんてことにならないようスケジュール管理には充分注意しましょう。
正社員でも満足のいく収入を得られる動物病院もたくさん増えていると思いますが、人によってはフリーランスになることで現在の収入からUPする可能性もあります。
2021年に実施したフリーランス獣医師実態調査アンケートでは、12名中11名の先生が収入が上がったと答えています。
これに関しては“せざるを得ない新規開業”が減りますようにという僕の願望です!笑
獣医師として将来開業するかしないのかはまさに死活問題かと思いますが、場所によっては新規開業によって厳しい競争に身を投じなければいけないこともあると思います。
そんな中、最近は今ある動物病院を継いぐ事業承継という開業の仕方も広がっています。
フリーランスを経ていいご縁があれば、そのまま動物病院を継ぐなんていうことも出来るかもしれません。
メリットの話ばかりしても公正ではないのでデメリットについてもお伝えしていきたいと思います!
また、これからフリーランスになりたいのにそんなん言われたらやる気なくすわ!という人に向けてそのデメリットを最小限にする対策法もあわせて解説していこうと思います。
正社員との大きな違いが社会保障の違いです。特に年金については法人の正社員が厚生年金と国民年金に加入しているのに対し個人事業主であるフリーランスは国民年金のみの加入になります。
細かい内容は代表のnote「フリー獣医師と年金」を参照していただければと思いますが、超ざっくり言ってしまうと生涯正社員の人(厚生年金+国民年金)と生涯フリーランス(国民年金のみ)の人では将来もらえる年金の額が10万円程違うのです。
もちろん年金制度は時代とともに変わりますので、現時点のルールではという限定的な条件ではありますが、このデメリットは大きいです。
解決策としては、薄くなる社会保障を計算した上で自分の報酬を設定し、将来に備えて資産運用を行うことをおすすめします!
これも社会保障に関わることですが、法人の正社員の方は万が一働けなくなるような怪我や病気をしてしまっても数カ月分のお給料が保障されています。しかしながら、フリーランスは働けなくなった場合一切の保障が出ません。
このデメリットは商工会の休業補償や民間の医療保険・生命保険を組み合わせてカバーすることをおすすめします。
動物病院と契約するときにハッキリさせておかなければいけないのが万が一の際の責任の所在です。
フリーランスは基本的に業務委託契約を結ぶことになりますが、これは「診療業務を私が責任持って請け負います」という契約です。そのため基本的に万が一の際の責任は100%フリーランス側が負うのが契約上の解釈になります。
とはいえ果たすべき責任を果たしても避けられないケースも中にはあると思います。そういった際に大切なのが契約書です。
契約書であらかじめ「こういうケースはこの割合で賠償責任を負う」「こういうケースは上限いくらまで賠償責任を負う」などを記載した項目を作成し、必ず動物病院に目を通してもらいましょう。
契約書の作成は個人で出来る範疇ではないと思いますので、弁護士さんにお願いすることを強くオススメします!
フリーランスといえば経費を使えるでおなじみですが、経費計上を含めた収入と支出の管理は毎年まとめて税務署に申請しなければいけません。そう、確定申告です。
代表の森田はフリーランス1年目から挫折し税理士さんに丸投げしてしまいました… その分委託費用もかかってしまいますので、確定申告を自力やるか税理士さんに任せるかはあなた次第です!
最後に僕がフリーランスになるときに一番心配していたのがこのデメリットです!
「そもそも仕事はあるのか?」状態でスタートしましたが、周りの縁に助けられて仕事を探すのには困りませんでした。
しかしながら、もし周りの人の助けがなければどうなっていたか不安です。
「フリーランスになりたいけど仕事を探せるか不安…」
そんな方のために、獣医フリーランス協会では「〇〇県でこんな依頼がありましたよー」「こんな企業から案件が来てるよー」といった情報をフリーランスの会員の獣医師内で共有しています!
まだまだ育ち盛りで人数も案件も少ないのですが、不安の解消に少しでも繋がればと思います。
以上、長くなってしまいましたがこれでも超ざっくりとフリーランスの働き方のメリットデメリットのまとめでした!
各項目ももっと補足が必要なのですが、それは追々コラムにまとめていきたいと思います。
この記事で「フリーランスってこんな感じなんだな〜」と少しイメージが細かくなったらいいなと思います。
ここまで読んでくださった方、ありがとうございました!
・設立 2022年11月
・所在 東京本部住所: 〒150-0001 東京都渋谷区神宮前6-23-4 桑野ビル2階
・会員 個人会員18名 協賛病院8病院 協賛企業3社(2023年6月現在)
・電話 03-6822-2196
・メール vet.freelance4@gmail.com
私たちは動物医療業界においてフリーランスの働き方に関する情報を開示し、フリーランスを目指す獣医師を導き、支え、自分らしいキャリアの確立を応援します。
今社会に求められている流動的な働き方も、基盤がなければ不幸の種を生んでしまいます。
自由な働き方だからこそ、責任はつきものです。
VFAはささいな不安を相談できる団体です。
VFA活動を通してフリーランスの働き方が一般化することで、獣医師の代診、産休·育休、事業の承継などの持続可能な社会活動に貢献し、全ての獣医師が笑顔で働き人生を謳歌する社会を目指します。
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